佐渡 — 金と能の島
世界文化遺産の金銀山、篝火の下で舞われる能、坑道の赤土から生まれた器 — 佐渡に残された遺産をたどる2泊3日
- 日数: 2泊3日(新潟港 11:30発/通年催行)
- 料金: お問い合わせ
- 出発地: 新潟港 佐渡汽船ターミナル発着(新潟駅・新潟空港からの送迎手配可)
旅の概要
佐渡は日本海側最大の島です。1601年に開かれた相川の金銀山は、江戸幕府の財政を約260年にわたって支え、1989年の休山まで約400年稼働しました。2024年7月、この鉱山群は「佐渡島の金山」として世界文化遺産に登録されています。機械化が進んだ時代に、手作業による採鉱と製錬の技術を250年以上継続した点が評価されました。
同時に佐渡は、能の島でもあります。初代金山奉行の大久保長安は能楽師の家に生まれ、一座を伴って渡島しました。最盛期には島内に200の能舞台があったとされ、現在も30以上が残ります。その多くは神社の境内にあり、屋根の下ではなく篝火のもとで舞われます。
佐渡の鉱山から産出する、酸化鉄を豊富に含んだ赤土「無名異」。江戸時代後期から焼き物の原料として用いられ、島の風土と歴史に根ざした無名異焼を育んできました。現在、相川には12の窯元があり、2003年には、今回ギャラリーを訪ねる五代伊藤赤水が、無名異焼の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されました。
本ツアーは、この三つ——地下の坑道、屋外の能舞台、坑道の土から生まれた器——を三日間で結びます。演能は4月から10月にかけて島内各地で行われ、ご滞在の日程を公演日に合わせることで、実際の薪能をご覧いただけます。宿泊は相川の高台に建つホテル大佐渡の最上階、108㎡のプレミアムスイート。日本海に正面から向かい、温泉露天風呂と専用テラスを備えます。
所要:2泊3日/専属ドライバー付き車両、専属ガイドで催行。新潟港11:30発、通年催行。
ルート:新潟港 → 両津港 → 史跡 佐渡金山 → ホテル大佐渡 → 伊藤赤水 作品館 → ドンデン高原 → 椎崎諏訪神社能舞台 → 矢島・経島 → 両津港 → 新潟港
ハイライト
- 史跡 佐渡金山 — 四百年を掘り抜いた坑道 — 1601年に開山し、1989年まで約400年稼働した金銀山。江戸期に手掘りされた宗太夫坑と、1899年開削の道遊坑が公開されています。2024年7月、世界文化遺産に登録されました。
- 道遊の割戸 — 山を裂いた金脈 — 金脈を追って掘り進むうちに山がV字に割れた露天掘りの跡。山頂部の割れ目は幅約30m、深さ約74mに達します。脈幅約10mの道遊脈を有し、明治以降も下部で開発が続きました。
- 諏訪神社能舞台 — 加茂湖を見下ろす舞台 — 1376年創建の神社の境内に建つ、1902年築の能舞台(県指定有形民俗文化財)。島内で最も演能回数が多く、天井には『道成寺』の鐘を吊るす鐘穴が設けられています。
- ドンデン高原 — 標高940mの草原 — 大佐渡山脈の一角をなす高原。駐車場から尻立山の山頂までは徒歩約20分で、両津湾から国中平野、小佐渡丘陵までを一望します。起伏は緩く、歩きやすい靴で歩けます。
- 無名異焼 — 坑道の土から生まれた器 — 金銀山の鉱脈付近から出る、酸化鉄を多く含む赤土「無名異」を陶土とする焼物。高温で焼き締めるため非常に硬く、叩くと金属のような澄んだ音がします。相川に12の窯元が残ります。
- 矢島・経島 — 赤い太鼓橋の入り江 — 小木海岸の入り江に浮かぶ二つの島。矢島は『平家物語』で源頼政が用いた矢の産地と伝わり、経島は日蓮の高弟・日朗が漂着して読経した地。二島を赤い太鼓橋が結びます。
日程
Day 1 — A Day in Sado — 海を渡り、坑道へ
金の島に着いた、最初の午後
- 11:00 新潟港 佐渡汽船ターミナル
新潟駅または新潟空港より、専属ドライバー付き車両でお送りします。ターミナルまでは駅から約10分、空港から約25分です。 - 11:30 ジェットフォイル乗船
水中翼で船体を持ち上げて走る高速船で佐渡海峡を渡ります。両津港までは1時間07分。カーフェリーの半分以下の所要時間です。 - 12:37 両津港着
島側の専属車両と合流します。 - 13:00 昼食
加茂湖のほとり、または両津にて。佐渡沖の地魚を中心とした昼食をご用意します。 - 14:00 相川へ
大佐渡山脈の南麓を回り、金銀山の町へ。約60分の道のりです。 - 15:00 史跡 佐渡金山
専属ガイドとともに坑道を巡ります。坑内は通年10℃前後。江戸期に手掘りされた宗太夫坑では排水との闘いの跡を、明治期の道遊坑ではトロッコや機械工場が操業当時のまま残る様子をご覧いただきます。入場口の近くには、無名異焼の原料となる赤土が採られた無名異坑があります。 - 16:45 ホテル大佐渡 チェックイン
最上階のプレミアムスイート。108㎡の室内に温泉露天風呂と専用テラスを備え、日本海に正面から向かいます。館内の大浴場は硫酸塩泉です。以降はご自由にお過ごしください。
Day 2 — A Day in Sado — 土と山と、篝火
坑道の赤土から、標高940mの草原へ
- 10:00 ドンデン高原へ
ホテルから尾根へ上がる道を約60分。 - 11:00 ドンデン高原
高原ロッジの駐車場から尻立山へ。往復約40分、遮るもののない草原の稜線を歩きます。高木がないため視界が開けたままで、天候が良ければ本州の山並みまで見えます。 - 12:30 昼食
加茂湖畔にて。牡蠣の養殖が行われている汽水湖です。 - 15:00 伊藤赤水 作品館
無名異焼の窯元・赤水窯。五代伊藤赤水氏は2003年、重要無形文化財「無名異焼」保持者に認定されています。異なる色の土を重ねて文様を出す「練上」と、炎の当たり方で黒く変化する「窯変」の作品を、初代から四代までの器とあわせてご覧いただきます。(事前手配) - 16:00 ホテルへ
温泉と客室でお過ごしいただきます。 - 17:00 夕食
ホテルにて。 - 18:30 両津へ出発
山を越えて約50分。 - 19:30 薪能 鑑賞
椎崎諏訪神社の能舞台で、篝火を焚いて演じられます。宝生流佐渡当主・本間家の指導のもとに受け継がれてきた舞台です。佐渡の鑑賞作法は比較的おおらかで、初めての方も構えずにご覧いただけます。屋外のため、上着をご用意ください。 - 21:00 ホテルへ
約50分。
Day 3 — A Day in Sado — 赤い橋のある入り江へ
島を離れる前の、海へ
- 09:00 ホテル出発
島の西岸を南へ。相川から小木半島まで、海沿いの道を約90分走ります。 - 10:30 矢島・経島
小木海岸の静かな入り江。松に覆われた二つの島を赤い太鼓橋が結び、佐渡ジオパークと佐渡弥彦米山国定公園に含まれる景観です。橋を渡り、岸から入り江を一望していただきます。 - 13:00 昼食後、小木半島を発つ
両津へ。約70分。 - 14:35 ジェットフォイル出港
新潟港へ1時間07分。時期により14:35〜16:25発となります。
GOLD AND FIRELIGHT
金と篝火 — 島に残されたもの
佐渡の金は、島には残らなかった。船で江戸へ運ばれ、幕府の財政になった。
残ったのは、能である。
初代金山奉行の大久保長安は、武田信玄に仕えた猿楽師・大蔵治部大夫の末子だった。長安は能楽師の一団を連れて島に渡り、相川に春日神社を建てて能を奉納した。奉行所は能を武士のたしなみとして奨励し、やがて島の有力者が、そして集落そのものが能を抱えた。本間家が宝生流を、遠藤家が観世流を開き、両座が競い合ったという。
最盛期、島には200の能舞台があったとされる。今も30以上が残る。多くは神社の境内にあり、屋根の下ではなく、篝火の下で舞われる。佐渡には「舞い倒す」という言葉がある。能に入れ込んで身上をつぶす、という意味である。
金は運び出された。島に残ったのは、その熱のほうだ。
もうひとつ、残ったものがある。坑道から出る赤い土だ。酸化鉄を多く含むそれは「無名異」と呼ばれ、もとは止血に用いる漢方薬の名だった。江戸後期、相川の伊藤家がこれを陶土に用いる。金を掘った跡から出た土が、器になった。
季節による振り替え
ドンデン高原は4月下旬〜11月中旬。高原へ上がる大佐渡スカイラインとドンデン線が県により冬季閉鎖される期間は、尖閣湾揚島遊園または妙宣寺五重塔(文政8年建立・国指定重要文化財・新潟県内唯一の五重塔)へ振り替えます。
演能は4月から10月。公演のない時期は椎崎諏訪神社能舞台の見学に振り替え、夕食はホテルにてごゆっくりお召し上がりいただきます。
追加可能オプション
通年
- 佐渡奉行所・京町通りの見学
- 北沢浮遊選鉱場跡のライトアップ(ホテルより夜のご案内)
- 相川の無名異焼窯元めぐり
- 妙宣寺 五重塔
- 宿根木集落の散策と公開民家の見学
- 金箔貼り体験
- 新潟駅・新潟空港からのハイヤー送迎
時期限定
- 矢島・経島でのたらい舟乗船(4月〜10月)
- 史跡佐渡金山「山師ツアー」— 1647年完成の大切山坑を巡る(4月〜11月・所要約70分・要予約)
- 尖閣湾揚島遊園と海中透視船(12月〜2月は土日祝のみ営業)
- ドンデン高原ロッジでの昼食(4月中旬〜11月上旬)
実用情報
- 開始時刻/所要時間
- 新潟港 11:30発/2泊3日(通年催行)
- 料金に含まれるもの
- ・専属ドライバー付き車両(島内・新潟側とも)
・専属ガイドの同行
・ジェットフォイル往復乗船
・ホテル大佐渡 プレミアムスイート 2泊
・史跡佐渡金山 入場
※本ツアー料金にはお食事、追加オプション料金は含まれていませんので、あらかじめご了承くださいませ
※演能の鑑賞をご希望の場合は、公演日程に合わせて日程を調整いたします。公演は4月から10月に行われます。