室生 — 女人高野と芸術の森

  • 日数: 9時間(9:00開始)
  • 料金: お問い合わせ
  • 出発地: 京都市内ホテル発着

旅の概要

奈良県宇陀市の山あいに抱かれた室生は、千二百年以上にわたり山林修行の場であり続けてきた谷です。杉木立の奥に堂塔が点在する室生寺、龍神を祀る古社、そして山の上に広がる現代芸術の森。主要な観光ルートから離れたこの地には、いまも静かな時間が流れています。

 

本ツアーは、古代の祈りの場と現代のランドアートをひと筆でつなぐ一日です。女人高野・室生寺の国宝の伽藍から、雨乞いの龍神を祀る室生龍穴神社、そして彫刻家ダニ・カラヴァンが手がけた室生山上公園芸術の森へ。
 

ルート:京都市内ホテル → 室生寺 → 門前の散策 → 室生龍穴神社 → 昼食 → 室生山上公園芸術の森 → 京都市内ホテル

ハイライト

  1. 室生寺 — 女人高野 — 8世紀末、興福寺の僧・賢璟が皇太子(のちの桓武天皇)の病気平癒を機に創建した山岳寺院。女人禁制だった高野山に対し女性の参詣を受け入れ、「女人高野」の名で親しまれてきました。
  2. 五重塔 — 日本最小の国宝塔 — 屋外に立つ五重塔としては日本最小の高さ約16m。奈良時代末から平安初期に建てられた室生寺最古の建造物で、国宝。杉木立の石段の上に立つ端正な姿は、室生寺の象徴です。
  3. 門前の道 — 山里の参道 — 室生川に架かる朱塗りの太鼓橋から続く門前の通り。茶店や家族経営の土産店、素朴な甘味が並び、山里の時間がゆっくりと流れる、昔ながらの参道の風情を今に残しています。
  4. 室生龍穴神社 — 雨を司る龍神の社 — 室生寺よりも古い歴史を持つと伝わる古社。水を司る高龗神を祀り、平安時代には朝廷から雨乞いの使者が遣わされました。奥宮の岩窟「吉祥龍穴」には龍神が棲むと伝えられます。
  5. 室生山上公園芸術の森 — 風景そのものが彫刻 — 室生出身の彫刻家・井上武吉の構想を、イスラエルの彫刻家ダニ・カラヴァンが引き継ぎ、2006年に完成。約7.8haの丘陵に12の作品が点在し、公園全体がひとつの芸術作品です。
  6. 太陽の道と天文の塔 — 北緯34度32分の軸線 — 伊勢と大和の聖地を結ぶ北緯34度32分の軸線「太陽の道」を、湖を貫くブリッジが可視化。中央に立つ天文の塔には、太陽の動きと連動する仕掛けが施されています。

日程

Day 1 — A Day in Murō — 龍の谷と芸術の森

祈りの水と、渦を巻く水と。

  • 9:00 京都出発
    ホテルのロビーでガイドと合流し、専用車両で奈良県宇陀市の山あいへ(約2時間・約110km)。車中では、大和の古い巡礼路や、日本における密教のはじまりについてガイドがご案内します。
  • 11:00 室生寺
    朱塗りの太鼓橋を渡り、苔むした石段を登ると、杉木立の間に金堂や五重塔が姿を現します。平安前期の仏像群を間近にご覧いただきながら、境内をゆっくりと巡ります。シャクナゲ(4月中旬〜5月上旬)や紅葉など、季節ごとに表情を変える伽藍をお楽しみください。
  • 12:00 室生龍穴神社
    巨杉に囲まれた境内を参拝します。ご希望に応じて、龍神が棲むと伝わる奥宮の岩窟「吉祥龍穴」まで足を延ばすことも可能です(渓流沿いの階段を下ります)。
  • 13:00 昼食
    地域のレストランでの昼食。奈良の季節料理、精進料理、和牛、山の野菜料理など、ご希望に応じて手配いたします。
  • 14:30 室生山上公園芸術の森
    南北約700mの丘陵を、作品から作品へと歩きます。渦を巻いて水が流れ下る「螺旋の水路」、地下へ降りてトンネルで地上へ戻る「螺旋の竹林」、湖に浮かぶ島々。太陽の光や風、水そのものが素材となった風景を、ご自身の足でご体感ください。
  • 16:00 芸術の森を出発
    専属車両にて京都へ向かいます。
  • 18:00 京都着
    ホテルまでお送りいたします。

THE DRAGON'S RAIN

龍の雨 — 室生、水をめぐる千二百年

室生の谷では、水はいつも祈りの対象だった。

奈良時代の末、皇太子——のちの桓武天皇——の病気平癒を願う僧たちは、この山の岩窟に向かって祈った。谷の奥、渓流のほとりに口を開けるその洞穴には、龍神が棲むと伝えられていた。祈りは届き、勅命によって寺が建てられた。
室生寺のはじまりである。

以来、この谷の龍は都の記録にたびたび姿を現す。平安の都が旱魃に苦しむたび、朝廷は京都の貴船とならんで室生へ雨乞いの使者を送った。空海が京の神泉苑で雨を祈った際に現れたと伝わる龍王・善女龍王も、のちにこの谷の龍穴に棲むと語られるようになる。雨を司る龍は、千二百年のあいだ、この谷の主であり続けている。

2006年、同じ山の上に、水の流れる螺旋が刻まれた。構想したのは、室生に生まれた彫刻家・井上武吉。故郷の山全体をひとつの美術館にするという夢を抱きながら、彼は完成を見ることなく1997年に世を去った。その志を受け継いだのが、旧知の友であったイスラエルの彫刻家ダニ・カラヴァンである。「作品は、その場に立ち、歩き、触れ、匂いを嗅ぎ、耳を傾けて、はじめて味わえる」と語ったカラヴァンは、石やコンクリートだけでなく、太陽の光、風、そして水を素材に選んだ。

丘を渦を巻いて流れ下る細い水路。伊勢と大和の聖地を結ぶ北緯34度32分の軸線上に立つ塔。龍穴の伝説を知る者の目には、山肌をくだる水の螺旋が、小さな龍のようにも見えるだろう。

古代の祈りと現代の彫刻。かたちは変わっても、この谷で人が水に向けてきたまなざしは、おそらく同じだ。龍は、いまも室生にいる。

実用情報

開始時刻/所要時間
9:00/約9時間
料金に含まれるもの
・専属ドライバー付きプレミアム車両
・専属ガイドの同行
・室生山上公園芸術の森 入場チケット

※本ツアー料金にはお食事、追加オプション料金は含まれていませんので、あらかじめご了承くださいませ。

※室生山上公園芸術の森は毎週火曜日および12月29日〜2月末日が休園のため、本ツアーは冬季を除く火曜日以外の日程で催行いたします。